歯を失うと

次々と歯が割れていく

噛む力の凄さをマザマザと見せ付けられる症例をご紹介します。

70歳の女性の症例です。

初め全て歯が揃っていたのですが、歯の破折が続き1〜2年で下のレントゲンのような状態になってしまいました。

噛み合わせはすごく綺麗に揃ってますよね。また、歯周病などによる骨の吸収もなく、虫歯治療した痕跡も年齢の割に少ない良好でした。

私は右上の奥(写真では左上)の歯を抜いた時に、インプラントを勧めました。しかし、インプラントに対する不安や抵抗、また費用などがひっかり、食事にも不自由していなかったことから、そのままになっていました。

抜いてから3年、久しぶりに歯が痛いとのご連絡があり、その時の写真が下のものです。右上の一番奥の歯です(レントゲンでは左上)。

これまで虫歯の治療をした痕跡もなく、一見問題なさそうですね。症状は痛くて噛めないでした。そしてよく観察してみると。

ご覧の様に割れていました。

70歳になるまで、なんの問題もなかった歯が、歯を抜いてたった3年で割れてきました。

これが力によるものは疑いの余地はありません。

レントゲン写真で噛み合わせが綺麗に揃っていることを最初に指摘しましたが、これは歯ぎしりや食いしばりをしている証拠です。

ですから、なぜ私がインプラントを勧めたかというと、歯を失うことで一番奥の歯に今まで以上に負担がかかって歯が割れる可能性があるのが分かっていたからです。

その様な説明を受けたことも患者さんも覚えておられましたが、その時は諸事情があってインプラントはできなかったのですから、仕方がありません。多少の後悔はあるかも知れませんが、何も知らされずに歯が割れてしまったわけではないので、患者さんも仕方がないと納得されていました。

通常は歯が割れると抜歯しなければならないのですが、今回は抜歯を逃れなんとか対応できました。

歯を失ってしまうと全ての方がこの様になるとは言いませんが、全ての方にこの様になるリスクが生じます。

この様な結果にならない様にするにはどうしたらいいか?それは力のバランスをとってあげる以外にありません。

力のバランスをどの様な方法で取ったらいいのか、それはまた別のところでご説明しましょう。