知覚過敏

歯がしみる

いわゆる知覚過敏です。これには3つのパターンがあります。

歯磨きの時にしみる。食事の時にしみる。冷たいものを口に含んだ時にしみる。

まず、知覚過敏がどのようにして起こるのかを理解していただく必要があります。それには、歯の構造を理解することが必要ですが、ここでは簡単に説明します。歯は表層にエナメル質と呼ばれる非常に硬い層に覆われ、内部は象牙質を呼ばれるエナメル質よりは少し柔らかい層でできています。象牙質のさらに内部には神経や血管が入っている歯髄腔(しずいくう)があり、そこに冷たいものや温かいもんを感じるセンサーがあります。そして、歯の表面に加えられた刺激は歯髄から歯の表層に走行する象牙細管と呼ばれれ細かい管の中にある水分を介して、センサーに伝えられます。ちょうど、ストローの端から息を吹きかけるようなイメージです。しかし、エナメル質にはこのような細管構造がないため、象牙質の表面にエナメル質が覆っていると、ストローの口が塞がれているようなもので、内部の水分に変動はありません。もし、このエナメル質がなくなったらどうなるか。ストローの口が開いてしまうことになり、刺激が伝わりやすくなるのです。

では、エナメル質がなくなり、象牙質がむき出しになってしまうのは、どんな場合か?そもそも、エナメル質はお口の中の見えているところしかありません。歯ぐきの下に埋まっている歯の根にはエナメル質の層はありません。健康な状態の歯と歯ぐきの境目がちょうどエナメル質が終わる境界線になっています。

歯ぐきが何らかの影響で痩せてしまうと、歯の根が露出し健康な象牙質が露出します。ちょうど歯と歯ぐきの境目ですから、歯磨きをした時にしみるという症状出やすくなります。

他に露出する状況といえば、歯が欠けたり、歯を削ったりした時があります。

ここで、虫歯になった時のことを考えてみてください。虫歯は歯の組織構造が酸で溶かされてボロボロになってしまった状態ですから象牙細管の入り口が塞がれ、象牙細管内の水分に変動はありません。ですから、虫歯が知覚過敏の原因となるのは相当大きな虫歯になって歯髄が炎症を起こさない限り痛くはないのです。

知覚過敏が起こるのは健康な象牙質が露出してしまうのが原因であることはご理解いただけましたか?

では、最初にあげた3つのパターンについてそれぞれ原因を考えてみましょう。

歯磨きの時にしみる。

歯磨きの時にしみるといっても、大抵歯の根元にブラシが当たった時にしみると思います。これは歯の根元が露出することによって起こる近く過敏と言えます。対処法は、象牙細管の入り口に蓋をしてあげれば治ります。蓋をする方法としては、ワインボトルの口をコルクで塞ぐように、薬で象牙細管を詰まらせすのと、ペットボトルの口をキャップで塞ぐように、詰め物でカバーしてしまう二つの方法があります。

食事の時にしみる。

食事の時にしみるというのは、前述の歯磨きの時にしみる原因プラス、歯の亀裂が考えられます。噛んだ時に歯に強い力が加わるため、亀裂が開き、象牙細管が露出してしまうからです。対処法はまず前述の象牙細管の入り口を塞ぐ処置を施し経過を見ます。それで収まればいいのですが、治らなければ歯の亀裂を疑い、亀裂が広がないよう歯を削ってクラウンと言われる被せ物をする必要があります。亀裂は見つけることが難しく、見た目に問題のない歯を削ってクラウンを被せることにはやはり心理的にも抵抗があり、なかなか決断しにくい対処法と言えます。

冷たいものを含んだ時にしみる。

これは歯磨きの時、食事の時の原因に加え、歯髄が炎症を起こし、過敏になっていることが原因としてあります。歯髄が炎症を引き起こす原因は、虫歯が大きくなってバイ菌が歯髄まで入り込んでしまった場合や、歯に亀裂が入ってバイ菌が入ってしまったり、亀裂が大きくなり炎症が起こることがあげられます。炎症が起こると刺激に対して敏感に反応してしまうのです。虫に刺されて腫れたところを触ると痛いのと同じです。

3つのパターンで説明してきましたが、実はそんなに簡単に割り切れるものではなく、いろんな要素が絡み合った複雑なケースも多く見受けられます。

知覚過敏が常に出ているわけではなく、出たり出なかったりするケースがあります。その原因は歯周病に起因することが知られています。知覚過敏はそもそも歯の中の神経の反応ですが、歯の周囲に炎症が起こっても似たような症状が出ます。歯周病で歯周組織に炎症が起きていると、歯周組織が腫れます、するとわずかですが歯が浮き、強く当たることで知覚過敏が起こると考えらます。

また、歯ぎしりが原因で知覚過敏が起こることも知られています。実は多くのケースはこれに当てはまります。そもそも前述の歯の根元が露出する原因は何かと考えた時に、歯ぎしりによってエナメル質の薄い部分が欠けて象牙質が露出することが考えられるのです。

ケースによりますが知覚過敏の原因を突き止めることは容易ではありません。しかし治療法はそれほど複雑ではありません。

まず、歯に大きな欠けや亀裂、大きな虫歯など目で見てわかる問題がないか確認します。それらが無ければ、歯にダメージの少ない処置から順に進めていきます。

象牙細管の口を詰める      

知覚過敏の薬を塗る

象牙細管の口を塞ぐ

充填によって治す

歯ぎしりを予防する

マウスピースによる予防

亀裂を疑いクラウンにする

大きな被せ物の治療

神経を取る

神経を取る治療の後大きな被せ物