あっという間に10月ですね。コンビニでクリスマスケーキの予約が始まっているのを見てびっくりしましたが、いくらクリスマスケーキが売れるからといって、「そんなに急いでどうするの?」って感じてしまいます。
さて、今日は歯科治療で最も大切な事に付いて考えてみたいと思います。
たいてい、皆さんは歯科治療で出来れば「良い歯」を入れたいと思っていらっしゃいます。
この良い歯というのは、「銀歯」より「セラミック」だったり「プラスティックの入れ歯」より「金属の入れ歯」だったりします。
不思議と当院では少ないのですが、まだ歯が残っているのに「インプラントにして欲しい」という患者さんも世間では少なくないと言われています。
つまり、歯に詰めるものや被せるものが丈夫で長持ちするのが一番良いものだと思われているようです。
ですから、皆さんの質問は「セラミックは何年もちますか?」とか「これで一生壊れないですか?」といったものになります。
でも、ちょっと待ってください!皆さんはセラミックや銀歯などの詰め物の耐久性がそんなに気になるのですか?
もっと大切な事を忘れてはいませんか?「セラミックや金属より歯の方が弱い事」を!
最も大切なのは「どの治療法が一番歯を長持ちさせる事が出来るか?」ではありませんか?
コロンブスの卵ではありませんが、そんなの当たり前だと思われるかもしれません。では、セラミックや金属などの詰め物より接着剤のほうが遥かに重要だということをご存知でしたか?
接着剤は歯の表面を細菌から保護してくれます。言い換えれば、接着剤の善し悪しは予後を左右します。
しかし、接着剤といえども万能ではありません。割れたお茶碗をくっつけて、元通りに使えるような接着剤がこの世の中にあると思いますか?
当然、生体である歯に金属やセラミックを接着剤でくっつけて、毎日の咀嚼に耐え10年20年ともつような接着剤など存在しません。
ですから接着剤の特性を最も生かす事ができる治療法が、歯を治すベストの治療法と言うことができます。
どのセラミックが良いとか悪いとか考える前に、どの接着剤が良いのかと考えなければなりません。はたしてどれだけの患者さんが、接着剤の善し悪しに付いて詳しくご存知でしょうか?
次回は接着剤の善し悪しについてお話ししたいと思います。