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小さなゴマのような虫歯

一見簡単そうに見えますが結構手間がかかります

歯と歯の間にできた虫歯。一見ゴマが付いているようですね。実は、これ他院で硬質レジンというプラスティックで修復されたものです。一見簡単そうに見える虫歯ですが、目立たないようにするには、色合わせが難しく、結構手間がかかります。

患者さんは40代の女性です。笑うと、黒っぽい点がまるで胡麻が付いているように見えていました。これは、古い硬質レジンと呼ばれるプラスティックが変色し、なおかつ奥に虫歯ができたためにさらに黒く見えてしまっていました。硬質レジンは、透明感もありますから、周囲に虫歯ができるとこのように黒く変色して見えます。ある意味、変色してくれば虫歯があるということになりますので、いいサインなのかも知れません。

積層+斜めカットでグラデーション

さて、これくらいの大きさであれば虫歯としては小さいのですが、丸く削られているために色合わせがとても難しいのです。歯の色はよく見てもらうとわかるのですが、単色ではありません。歯の根元の方が少し黄色くかつ透明感が少なく、先端にいくに従い白く透明になっていきます。この流れに沿って色を合わせるのは比較的易しいのですが、流れを横切るように削られている場合、色合わせがとても難しくなります。
今回この修復には4色の硬質レジンを使っています。
①ベースの色(一番奥の色)
②象牙質の色(表層より約1mm下)
③根元に近いエナメル質の色
④先端に近いエナメル質の色
しかも、これらはたくさんある色の中から選び出しています。
そしてさらに一工夫。グラデーションを出すために表層のエナメル質を斜めに削ります。そうすることで、レジンを徐々に厚くし、エナメル質と硬質レジンの境界をぼかすことができます。小さな虫歯ですが、約40分かかってます。
奥歯であれば、多少色の違いがあってもまず判りませんが、前歯はとても目立つ場所であるのに加えて、様々な方向から光が入ってくるため、表面的な色合わせでは通用せず、歯と同じ構造で立体的な色合わせができて初めて調和した色合いとなります。小さいけれど実は、なかなか歯医者泣かせの虫歯といえます。
費用 1カ所約¥11,000(税込)

平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

ヒラノデンタルオフィス 世田谷区用賀4−12−4

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