いよいよセラミックの製作です。
今回は、「2M1」という色をベースに製作していきます。セラミックは、様々な色のパウダーを水で固めながら積層して色を出しています。
1本の歯を作るのにこれだけの種類のパウダーを組み合わせて、思うような色を出していきます。色のバリエーションは無限大ですが、その分色のコントロールは知識と経験とセンスが左右します。
水を筆に含ませてパウダーをベースのフレームの上に載せていきます。砂遊びの時に砂に水を混ぜてお城を作るのと同じです。
仮歯と同じ形になるよう調整しながら盛り上げていきます。形だけでなく焼き上がりの色を想像しながら盛り上げていかなければならないので、とてもセンスが必要なところです。
歯の中心部のはマメロンと呼ばれる不透明山がいくつかあります。それを再現していきます。
トンカチで微弱な振動を加えて水分を浮き上がらせます。液状化現象と同じ原理です。この作業はコンデンス(凝縮)と呼ばれています。
歯の根元も不透明ですので、象牙色のセラミックパウダーを載せていきます。
水分量をコントロールしながら築造していきます。
大まかにできたら1本ずつ仕上げます。
焼き上げ前
焼成と言われる工程です。釜に入れて580度1時間、900度1時間の工程で焼きます。
セラミックは、焼き上げることによって縮んでしまいます。まずは、内部の構造を再現して焼き上げたところです。
エナメル質に相当する部分にセラミックパウダーを追加します。
先ほどの様にお釜に入れて焼き上げました。今回はわざと大きめに仕上がる様にしています。セラミックの幅が広いため模型に収まりきっていません。
歯と歯の接触をキツくもなく緩くもない様に微調整します。
赤くマークがついているところをす少しづつ削りながら歯と歯のコンタクトを調整します。
さあ、コンタクト調整が終わりました。だいぶ完成に近づきましたね。
かみ合わせの調整をします。
かみ合わせの調整が終わったところです。
想定したインデックスタグと色の違いがないか確認です。
グレーシング、つまり釉薬(うわぐすり)を塗って艶を出します。
グレーシングを塗ってもう一度焼き上げたところです。ピカピカになりましたね。
歯ぐきとの調和を確認しています。