久しぶりにインプラントのお話をしましょう。まずはレントゲン写真をご覧ください。
このレントゲン写真は、約1年前に初診で来院された患者さんで、左上の骨の厚みが無くてインプラントが出来ないと言われて相談に来られた患者さんです。黄色の線は、骨のラインを示しますが、上のラインは上顎洞(副鼻腔)と呼ばれる空洞の底になります。そのため、薄いところは1mm程しかありません。
CTで確認したところ、幸い上顎洞に炎症が認められなかったので、上顎洞挙上術を行い骨造成を図りました。
上顎洞を挙上した空間には、人工骨とPRGF(成長因子)を入れて、新しい骨が出来上がるのを半年待ちます。白い粒が人工骨です。手術後は、若干腫れたものの、痛みはさほど無かったそうです。また、人工骨を使っているため、他から骨を削って持って来る必要がないため、患者さんの負担はかなり軽くなっています。
そして、本日インプラントを入れました。造成した骨は、なかなかいい硬さに出来上がっていました。これで、インプラントが骨に生着するのをしばらく待ちます。おそらく、今回は腫れや痛みはほとんどないと思われます。
上顎の骨が出来上がるのを待っている間に、右下にもインプラントを入れて、咬めるようにしてあります。
骨が無いところでも、少し時間はかかりますが、骨を作ってインプラントを入れることは可能です。もちろん、条件によって難易度が異なります。今回のケースは、一見難しそうですが、条件が良かったため、患者さんの肉体的負担も少なく、比較的簡単に手術が終わりました。
インプラントでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。