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歯を引っ張りだして歯茎を作る

●真ん中の2本の歯の幅と長さが違う

70歳の女性です。前歯が不揃いなままこれまで過ごされてきたようですが、右上の大きな歯の根の状態が悪く、そろそろ抜かなければならなくなりました。抜いた後は、入れ歯かブリッジかインプラントのどれかを選ばなければなりません。しかし、どれを選んでも患者さんが満足されるような処置を施すことは難しそうです。というのも、このまま歯を抜けば歯茎が今以上に無くなってしまうため、ブリッジやインプラントで対応した場合、さらに長い歯になってしまいます。

そこで、まず歯茎が無くならないように写真の装置を付けてゆっくりと歯を引っ張りだすことにしました。すると、歯と一緒に歯茎と骨も付いてきてくれます。もちろん、この装置の前には仮歯を付けてありますので、笑ってもこの装置は見えません。

2ヶ月ぐらいかけて歯をゆっくり引っ張りだした後、そっと歯を抜き歯茎の形を整えます。このケースの場合、インプラントを適用できるだけの十分な骨が無かったことと、例えインプラントを入れられたとしても、前歯の大きさをそろえるためには隣の歯を削らなければならないことから、ブリッジが最適であると考えました。
歯茎の形がきれいに整いましたね。

そして、オールセラミックブリッジを入れました。歯の大きさも歯茎の位置も左右対称にできました。
セラミックの色も、自然に仕上がりました。実は、このような色を再現することは非常に難しいのですが、技工士ががんばって再現してくれました(技工士の腕はピカイチです)。

今回、治療を開始してから矯正による引っ張りだしで5ヶ月、抜歯して歯肉の形を整えるのに5ヶ月と計10ヶ月の時間を要しました。患者さんには、あらかじめおおよその治療の期間と処置内容を詳しく説明していため、焦ること無く根気よく治療に通って頂きました。そのかいあってか、患者さんはとても喜んでおられ、もっと早くやれば良かったとおっしゃっていました。決して短い期間ではありませんが、それだけの価値のある仕上りではないでしょうか。
歯の引っ張りだし       ¥20,000
歯肉形成術          ¥30,000
オールセラミックブリッジ ¥330,000
合計           ¥380,000(税抜き)

平野 恭吉平野 恭吉

ヒラノデンタルオフィス 世田谷区用賀4−12−4

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