さて、前回は虫歯を削っても虫歯菌は100%残ってるという話をしました。では、もう虫歯は治らないのでしょうか?
虫歯菌を0%に出来るかどうかは不明ですが、数年前に発売された接着剤が非常に抗菌作用があることが、発売後の検証で解ってきました。さらに、フッ素も含まれているため、通常の接着剤なら時間とともに接着力が弱くなっていくのが、この接着剤は1年後の接着力が強くなっているという優れものです。
実はこの接着力、最近になって解ってきたことなのですが、開発者の先生も予想していなかったことが起こっていると驚いていらっしゃいました。みなさんは、「ふーん」としか思われないかもしれませんが、歯科業界では画期的なことなのです。接着剤は、経時的に接着力が落ちるのが当たり前なのです。
私も発売当初からこの接着剤を使用していますが、よく考えてみればほとんどトラブルがありません。その時は抗菌力と虫歯予防のフッ素を配合していて従来の接着剤とほとんど変わらない接着力を実現したという謳い文句だったので、接着力には特別な期待はしていなかったのですが、そういった研究データが出て来ると、もうこれは最強の接着剤だと行っても過言ではありません。まさに救世主。
とはいえ、何でもかんでもこの接着剤を使えば虫歯が治る訳ではありません。ちゃんとした使い方をしないと、効果は期待できません。
次回は、接着剤の重要性についてコメントしたいと思います。