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急がば回れ

んー、なんだか本当に暑い日が続いていますね。こんな状態がまだまだ2ヶ月以上続くかと思うと、先が思いやられますね。

さて、今回は私の反省症例をご紹介します。

まずは写真をご覧ください。前歯3本のセラミックを試適しているところです。ここでは、接着剤でくっつけている訳ではなく、色や形を患者さんに見て頂き、確認を取っている段階です。

私が見た感じ奇麗だと思ったのですが、患者さんにはどうもしくりこなかったようです。原因は、「仮歯」と形が異なったからです。「歯が丸くなってしまった。」とのことでした。

確かに、これは私のミスといえます。仮歯と同じものでなければ、患者さんは最終的なものを気に入られるかどうかは出来上がってみないと判らないことになります。いつもの流れでは、患者さんのご要望を伺いながらプラスティックの仮歯の形を修正し、最終的な形態を煮詰めていきます。そして患者さんにオーケーを頂いてから、最終的なセラミックを作ります。

しかし、今回のケースではいろいろあってこのステップを飛ばしてしまったのです。少し先を急いでしまったために起こったエラーです。

そして修正したものが次の写真です。左側はセメントを除去した直後の写真なので少し歯茎から血が出てしまっていますが、1週間後の右側の写真では奇麗になっていますね。さて、最初とどこが変わったかお判りですか?

歯の根もと(矢印のところ)を少し膨らせただけなんです。

おそらく、この写真をご覧になった患者さんご自身が一番驚かれていることだと思われますが、ほんの僅かな違いでも、ご覧のように印象ががらりと変わってしまいます。2回目の試適で患者さんからOKを頂き、無事に修復することができましたが、こちらのミスで余計なご心配をおかけすることとなってしまいました。
また、セラミックを製作して頂いた技工士さんにもご迷惑をおかけしてしまいました。

「急がば回れ」を忘れずに確実な診療を心がけていかなければと、改めて気を引き締めている今日この頃です。

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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