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症例集

詰め物が茶色になってしまった症例

「前歯を治してもらったけれどしばらくしたら、だんだん茶色くなってしまった。」そんなお悩みで来院された男性の症例です。すべてダイレクトボンディングで処置しました。

 

ダイレクトボンディングは、「テクニックセンシティブ」つまり技術によって結果に差が出やすい治療法です。例えば、セラミックなどは技工士が作ったものを着けるだけなので、技工士の腕が良ければそれなりの結果が出せます。しかし、ダイレクトボンディングは、歯科医師の技術がそのまま結果に現れます。

それでも厄介なのは、充填した直後は誰がやってもそれなりに奇麗に見えてしまうのです。一番の違いは「接着」。

このケースで茶色になっているのは虫歯ではなく、接着面が剥がれてコンポジットレジン(硬質プラスティック)と歯との間に隙間ができてしまい、汚れがが詰まってしまったものであったり、研磨が不十分で汚れが沈着してしまったものであったりします。

接着が出来ていないと時間が経てばこんな風になってしまいます。

とはいえ、正直言えばこれがかなり難しいのです。

次の写真は8年前に私が行った症例の現在の写真です。(真ん中の歯です。)

周囲に隙間が出来てしまっています。(虫歯が出来ている訳ではありません。)

接着不足の原因は、古いセメントの取り残しや、不十分な表面処理です。この頃はまだ、ルーペを使わず肉眼で治療をしていましたので、このような結果になってしまったのだと思います。

次の写真は、私が6年程前に治した症例です。左が治した直後、右が先日撮影した写真です。3.6倍のルーペを使い、1時間くらい時間をかけて充填したものです。
 
当院のホームページでダイレクトボンディングの説明用の写真によく使っている症例です。6年経ってもまったく問題ありません。

1本の歯に1時間近く時間をかけるのは、患者さんに取って苦痛なことかもしれません。しかし、永久歯は一生に1本だけのものです。決して長い時間ではないと思います。

最初の前歯を治した症例では、クリーニングとダイレクトボンディングをあわせると8時間くらいかかっています。それでも、患者さんには大変喜んで頂くことができました。

前歯の虫歯や汚れなどでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

ヒラノデンタルオフィス 世田谷区用賀4−12−4

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