症例集

リスクの高いインプラント症例を安全に行う

久々に凄い台風が来ましたね。通勤の足にはかなり影響が出たようですが、皆さんのところはいかがでしたでしょうか?

さて、本日のお題はインプラント。しかも、一歩間違えば大失敗になりかねないリスクの高い症例です。レントゲン写真の真ん中の歯が問題の歯です。根の先に広範囲な黒い陰があり、根の治療を行いましたが改善せず抜歯となりました。

次に抜歯した後にどうするかですが、犬歯はまったく問題のない歯ですから、この場合インプラントがファースとチョイスとなります。患者さんもインプラントを選択されました。しかし、とても危険とはいえないものの、インプラントを入れる方向を少し間違えると、隣接する歯を傷つけてしまう恐れがあります。

こういったケースは、コンピュータでシミュレーションした通りにインプラントを入れられるよう、サージカルガイドと呼ばれるドリルガイドを使うのが一番安全です。

 
CT画像から3Dシミュレーションを行い、ドリルガイドを製作しました。


ガイドをお口の中に入れた様子です。金属のリングに沿わせてインプラントを入れる穴を形成すればシミュレーション通りにいくというものです。


それでも、絶対安全はありませんから、念のため最初に使う細いドリルを入れたところで位置確認を行いました。設計通りであることが確認できたところで、インプラントを埋め込むのに必要な径まで穴を拡大します。


インプラントを入れたところです。シミュレーションと寸部違わぬ位置にインプラントを入れることができました。

正直言って、ある程度の経験があれば、これくらいのスペースならガイドなしにインプラントを入れることは可能です。しかし、ガイドを使えば安全性はさらに高まります。インプラントは絶対安全に行わなければなりません。安全策はいくら行っても、無駄ということはないと思います。

さて、気になる経過ですが、先日術後2週間の経過観察に患者さんが来院されました。「腫れ」や「痛み」は全くなく、痛み止めも飲まなかったそうです。「抜歯の時の方が大変でした」とのことでした。

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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