症例集

お正月に限って

あっという間にお正月が去ってしまいましたね。
歯科医院にとってお正月明けは結構忙しいんです。

年末の忙しさで気を張っていたのが、お正月休みに入るとどうしても気が緩み悪いところが出てきます。ですから、正月明けは腫れや痛みを伴う急患が急増します。

今日の症例もその一つ。

3年前に初診でいらしたときの写真です。根の中にバイキンが繁殖しているため、根の先端に膿がたまっています。レントゲンで黒い陰として認めます。


根の中のバイキンをきれいに取り除いて治し、1年経過した画像です。レントゲンの黒い陰が小さくなっていることから、膿が無くなっていることがわかります。やれやれと言ったところです。


しかし、昨年の夏に腫れと痛みを伴い再び来院されました。一度バイキンを取り除いて治りかけていた症例なだけに、「何かあった」とにらみました。おそらく、割れてしまっているのではと患者さんにお話ししました。

歯が割れてしまったら残念ですが抜くしかありません。しかも出来るだけ早い方がキズは浅く済みます。

しかし、それからなかなか来院できないままとうとう年末まで来てしまったようです。

そして、年末からひどい腫れと痛みに教われ、せっかくのおせち料理も満足に食べられなかったそうです。一日も早く抜いて欲しいということで、本日抜歯に至りました。


抜歯した歯を見ると案の定、「破折!」していました。完全に分かれている訳ではないので、レントゲンに破折した像は写ってきませんが、これまでの経緯から推測して破折に間違いはなかった訳です。

患者さんは私の話をちゃんと聞いておけばよかったと後悔されていましたが、実際のところ歯を抜くのは勇気がいりますし、なかなか決断できないものです。

特に男性にその傾向が強いようです。

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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