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症例集

とても難易度の高い症例

久しく症例をご紹介しておりませんので、溜まっている資料の中からとりわけ難しかった症例をご紹介致します。

ちょうど2年前の夏に初診でいらした30代の女性です。奥歯は入れ歯を使われていたのですが、仕上がりの良いものではなくほとんど噛めていません。前歯はご覧のように変色した歯の根が露出し人前で笑うことすらままならないほどでした。

 

もともと受け口の骨格であるため、ハリウッドスマイルと呼ばれる理想的な仕上がりは当初から不可能です。最大の問題点は、ほとんど先端近く歯の根が露出してしまった歯を抜くと歯茎が痩せてしまい物凄く長い歯を作らなければならなくなってしまうことを、どれだけ回復させるにかありました。通常は、骨移植や歯茎の移植を行うのですが、患者さんは移植はしたくないということで、限られた条件での処置となりました。
また、前歯にインプラントを用いると時間と費用が物凄くかかることになり、患者さんにとっても受け入れられるものではなかったため今回はブリッジで対応しました。
ただし、いずれブリッジもダメになってしまうことはご理解いただいた上でのことです。

 

奥歯の骨はかなり吸収しておりインプラントの位置決めも高い精度を要求されました。少しでもインプラントの角度を間違えれば歯の振れ幅が大きくなり咬ませることができなくなってしまうからです。

 

下顎はもともと小臼歯が前方内側に傾いていて、あまり噛んでいなかったため何らかの処置を施さなけばならなかったのですが、一番確実な方法である抜歯後インプラントを行えば費用が高額になってしまうため、矯正により歯の位置を正しい位置に戻すことで費用を抑えることができました。ここで一般の方なら疑問に思われるかと思いますが、なぜインプラントの方が確実なのか?この症例の場合、歯周病に罹患しており歯の根を支えている骨がかなり吸収しているいるために、矯正で歯に負荷をかければ歯が抜けてしまう可能性も十分考えられました。

 

入れ歯とは比べ物にならないくらいよく噛めるようになったとのこと。

銀歯のブリッジも綺麗に直しました。凸凹だった噛み合わせもフラットに仕上げました。

 

前歯はいかにも不自然に曲がっていましたが、比較的自然な傾斜に仕上げることができました。前歯の大きさも許容範囲内に納めることができました。

 

前歯のブリッジがまだ仮歯の時のレントゲン写真ですが、奥歯が正しい角度に立ち上がっているのがお分かり頂けると思います。

ここまで仕上げるのに約2年かかりました。一気に仕上げることも可能ですが、その場合食事がままならない期間がどうしてもできてしまいます。生活に支障のない範囲で大掛かりな修復を行いました。

最後に感想を伺ったところ、インプラントが入った頃から食事がおいしくなり、毎回の治療でどんどん変わっていくのが楽しみになったそうです。治療を受けるのにはかなり思い切ったそうですが、やってみて本当に良かったとおっしゃっていました。

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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