久しぶりに臨床ネタをアップします。テーマは歯周病になった歯の再生療法。
まずはX線写真をご覧ください。一目瞭然ですね。中心にある歯(第一大臼歯)を支えている骨が再生(白いところが増えてますね)しているのわかります。これは、エムドゲインという再生療法を行った症例です。
歯周病のことをちょっとご存知の方なら「こんなに治るんだ!」と驚かれると思いますが、これはあくまで結果だけお見せしているのであって、決して簡単に治った訳ではありません。
もし、簡単に治るんだったらどこの歯医者さんでもエムドゲインを使って治してますよね。エムドゲインについての治療法はホームページに記載していますので、ここでは説明しませんが、こうした治療法はある条件が整って初めて成功します。
このケースの場合、患者さんが歯周病を治したいという気持ちが強く毎日のブラッシングをきちんとして頂き、根気よく歯石を取り(歯周病の初期治療)、骨の欠損状態(蟻地獄のように骨がなくなっている)がエムドゲインの適応だったからです。
そうです、歯周病を退治するのは簡単ではありません。しかし放っておいたらどうなるでしょう。歯ぐきが腫れて、グラグラし始め、口臭を発し、最後には抜け落ちてしまう。想像するだけでぞっとします。
その後インプラントがあるからいいやとお考えの方がいるやもしれませんが、歯が抜け落ちるほどの重度の歯周病であれば骨もなくなってしまっているので、インプラントもできなくなることもあります。
このケースのように劇的に治るケースは少ないですが、歯周病はちゃんと治療すれば治る病気です。ご自分で判断してあきらめず、ご相談ください。