コラム

インプラントは是か否か?

だんだんと冬の足音が近づいてきましたね。
さて、今日はインプラントについて私の考え方を述べてみたいと思います。

昨今、インプラントも市民権を得たようで、当院でもインプラントを希望する患者さんがたくさんいらっしゃいます。

以前は結構な数のブリッジを作っていたのですが、今では年に数える程しか作っていません。ほとんど、インプラントになっています。

もちろん、皆さん好き好んでインプラントを入れている訳ではありません。インプラントを入れるべきだと考えるから入れているのです。

私もインプラントを好き好んでいれている訳ではありません。リスクや手間ひまを考えるとインプラントよりブリッジの方が私にとっては遥かに楽です。

では、何故それほどまでしてインプラントを入れるか?

ブリッジは残っている歯を犠牲にしてダミーの歯を支えていますが、インプラントは既存の歯にダメージを与える事なく歯を補うことができます。

そのため、ブリッジは残っている歯の寿命を縮めてしまいます。しかし、インプラントはこれまでの歯と同様に働いてくれますので、既存の歯の寿命を縮めることはありません。

ここで一つ押さえておいて頂きたいのは、「骨は再生しますが歯は再生しない。」ということです。

つまり、ブリッジは壊れたらもう一度同じものを作る事は出来ませんが、インプラントは骨の再生を行えば同じものを作ることができるという事です。

たとえば、インプラントをいれて10年後に駄目になったとしましょう(インプラントは90%ちかく10年以上保ちます。)。でも、その10年はブリッジだったら削られていた歯が受けるダメージを軽減していてくれたことになります。

これがブリッジだったらどうでしょう?確実に土台の歯はダメージを受け、次にブリッジを入れる際にはもう同じ設計は出来ない事が多々あります。

インプラントは、インプラントで完結してくれるのです。けっして、前後の歯を道連れにする事はありません。

さらに、インプラントとブリッジの維持成功率では、インプラントの方が優れているというデータが出ているのであれば、よほどの事情がない限りインプラントの方を選ぶべきです。

よく「インプラントが駄目になったら大変だ」ということを聞きます。でもそういう人は「ブリッジが駄目になっても大変だ」ということに目をつむっています。

では、インプラントが駄目になって除去した場合、そこの骨はどうなってしまうのでしょう?

答えは「歯を抜いた時と同じようになる」だけです。
皆さん、もっと大変なことになると考えていたのではないでしょうか?

では究極の選択です!

一度歯を駄目にして抜かなければならなくなった。そこへインプラントを入れ何年か使えたがインプラントも駄目にしてしまった。そこで、骨の再生を待ってもう一度インプラントを入れ直した。

一度歯を駄目にして抜かなければならなくなった。そこへブリッジを入れて何年か使えたがやがてブリッジを支えている歯も駄目になってしまった。そこで、駄目になった歯をさらに抜いて入れ歯にした。

さて、あなたならどちらを取りますか?

 
 

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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