今日は毎日のように行っている「銀歯を白い歯に」について解説します。
写真は、本日の症例です。キャンセルが出て時間的な余裕がありましたから、患者さんにお願いして写真を撮らせてもらいました。ご協力頂いた患者さんには改めてお礼申し上げます。
さて、当院に来られる患者さんは銀歯を白くしたいと希望される方が非常に多くいらっしゃいます。私も、幾つかの理由から今はもう銀歯を一切入れていませんので、自然とそういった患者さんが多く集まるようです。
術前です。だいぶ年季が入っているように見えますが、細かいキズは噛み合わせの調整の後ですので、それほど古い物ではないかもしれません。
銀歯を外したところです。十字に切れ目を入れると銀歯が簡単に外れます。しかも、ほとんど歯を削ることはありません。白いセメントがしっかり残っていますので、金属はしっかり歯に付いていたようです。
でも、セメントの下にはご覧のように虫歯が出来ています。なぜ、セメントがきれいに残っているのにこのようになってしまったのか?基本的には虫歯の取り残しです。といっても、前の先生を責める訳ではありません。100%虫歯を取り除くことは限りなく難しいのです。
そのため、私はこのような虫歯染め出し液を使って、削らなければならない虫歯を染め出して、徹底的に虫歯を削っています。
ピンク色の染まっているところが虫歯です。多少色が黒くなっていてもピンク色に染まっていなければ削る必要はないと言われています。(これについてはいろいろと議論があります)
虫歯を削り終えて、プラスティックを詰める準備をしたところです。隣の歯と接触する部分は最も形を作るのが難しいところです。そのため、薄い金属の壁を作ってプラスティックを詰めすぎないようにします。
まず、壁側から詰めていきます。歯の色に合うようプラスティックの色も使い分けて築造して行きます。
少しずつ少しずつ盛り上げて行きます。プラスティクは最初粘度のような硬さなのですが、特殊な光を当てると瞬時に硬くなります。
酸素に触れている部分は完全に固まらないので、このようなペーストで空気を遮断して完全硬化させます。
形態修正をして噛み合わせの調整をします。赤いところが咬んでいるところです。ちゃんと咬めていますね。
さあ完成です。この歯の形は、天然歯の形とちょっと違っています。奥の歯と接触させる為に銀歯と接触する面の形態が不自然です。これは、奥の銀歯をやり直しする時に修正することができます。
と、このような治療を毎日行っております。ちなみに、この歯1本治すのに1時間かかっています。費用は2万円。安いか高いかは患者さんの価値観次第ですが、ヘアスタイルを整えたり、ネイルしたりしたときの価格と比べてみてください。しかも、ヘアスタイルやネイルは何年保つでしょう?