ニューヨークヤンキースのマー君こと田中投手が、靭帯断裂により戦列を離れたことはご存知でしょうか?快進撃を続けていただけに残念ですね。
靭帯はとても治癒の遅い組織で、断裂組織が組織学的にもとに戻るのには約2年かかると言われています。
新聞発表ではリハビリに6週となっていますが、これは運動可能なレベルに回復するのにかかる期間であって、組織学的にもとに戻っている訳ではありません。
そこで、組織の治癒を促すPRP療法が試されるようです。
PRP療法とは血液中の血小板という血を固める役割をする組織を凝縮して取り出し、それを患部に注入して治癒を促すというものです。この血小板という組織の中には、成長因子(グロースファクター)と呼ばれるものがたくさん含まれているため、血小板を凝縮して注入することで、患部の成長因子の濃度を高めて治癒を促すというものです。
この治療法は、ウィンブルドンでかつて優勝したナダル選手が、靭帯損傷から奇跡的な復活を遂げた際に使われ(PRGFというPRPの改良型)一流スポーツ選手の間で一躍有名になりました。
アメリカのプロフットボールプレイヤーも、この治療法を用いて驚異的な復活を遂げたことでも有名になっています。
さて、このPRP療法、当院でも行っているのです。「えっ?」と思われるかもしれませんが、本当です。もう6年以上前から取り入れて数百症例はこなしていると思います。
靭帯断裂と歯の治療とどういう関係があるのかとお思いかもしれませんね。
PRP療法は、成長因子を患部に注入することにより治癒を促す療法です。靭帯に限らず骨も再生してくれるのです。むしろ、骨の再生を促すことが確認されたため、靭帯にも応用してみようということになったくらいです。
当院では、抜歯後の骨の再生、骨移植時、インプラント治療のための骨造成術、歯周靭帯の再生、歯牙移植などに用いています。
特に、抜歯後に適用すると骨の再生が早くなりインプラント治療が確実なものとなります。
ご興味のある方はお問い合わせください。
ちなみに当院で扱っているのは、PRPの改良型であるPRGFです。
血液を遠心分離機にかけて血小板を採取します
フィブリンと呼ばれる血液を固める組織が多く含まれるそうです。ゴムのような弾力なる膜ができます。
コラーゲンスポンジに成長因子を含ませて抜歯した痕に入れます。
人工骨に成長因子を含ませて骨の再生を促します。