総入れ歯は真剣勝負 

今朝は大変な雨でしたね。そんな雨にも関わらず、患者さんにはキャンセルもすることなく来て頂き、感謝です。しかも皆さん年配の方ばかりで本当に頭が下がります。

当院は完全個室で完全予約制にしているため、キャンセルがはいるとポッカリと穴があいてしまいます。キャンセルがないということは、正直言って大変ありがたいことなのです。雨にも負けず通って頂く患者さんのためにも精一杯がんばりたいと思います。

今週、来週とインプラントのオペが続いています。今週3回、来週も2回となっていますが、インプラント以外のオペもいくつか入っています。

現在、衛生士の河田と二人で行っているため、オペが始まると電話に出られずご迷惑をおかけしております。留守電になったときは、しばらく時間を置いてからおかけ直しください。7月からは柳澤が入りますが、それまでの間ご不便をおかけいたしますが、今しばらくお待ち下さい。

さて、今日は少し臨床の話をしたいと思います。私はもともと、総入れ歯を専門としていました。総入れ歯は、歯科の中でもとても難しい治療の部類に入ります。というのも、治療の結果がすぐに出るため、患者さんの評価がとても厳しいのです。

痛いか痛くないか。咬めるか咬めないか。見た目がいいか悪いかといったことは、患者さんがすぐにわかることです。例えば、銀歯の形が少しおかしくても、咬んでいなくても、ぴったり合っていなくても患者さんが気づくことはまずありません。

また、何もないところに歯の大きさや形を想像して作らなければならないため、ドクターの技量がとても試されます。総入れ歯というのは全くごまかしのきかない治療なのです。(だからこそやりがいのある分野なのですが。)

患者さんが思っていらっしゃる程、生易しいものではありません。正直にいえば、インプラントが可能であればインプラントを選択した方が、確実に良い結果が期待できます。それでも、以前勤めていた病院では、7年間で何百組もの総入れ歯を作りましたが、ほとんど作り直しをしたことはありません。患者さんも戻ってきません。

皆さんは、入れ歯を入れると顎堤がやせて入れ歯が合わなくなり定期的に作り替えないといけないと思われているようですが、ぴったりと合った入れ歯であれば、顎堤に適度な負荷がかかって顎堤の吸収が止まり、ずっと作り替える必要はありません。

しかし、中にはうまく行かない症例もありました。その中の1症例である患者さんが今日3年ぶりに訪ねてきてくれました。最初、私が作った入れ歯に十分満足できずに、TVの番組で紹介された歯科医院に片道1時間近くかけて2年間通ったそうですが、結局僕が作ったもの以上にはならなかったそうで、もう一度僕に作ってほしいと戻ってこられました。

私を最後のよりどころにして頂けたのは光栄なことですが、前回患者さんを満足させられなかった責任と、逃げ場のない状況に身の引き締まる思いです。こういった症例は、どこか真剣勝負に似た緊張感があります。一つのミスが命取りとなり、うまく行きません。2ヶ月後、皆さんに良い結果をご報告できるようにしたいと思います。
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