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今朝、周囲はまだ薄暗いにも関わらず、家内に起こされました。「ヤゴがかえった」と騒いでいます。何のことやらと眠気眼に見に行くと、子供が1ヶ月程前に小学校のプール清掃の際に捕まえてきたヤゴが、トンボになっているではありませんか。

なぜ、家内がそれほどまで興奮していたかというと、それまでの経緯をお話ししなければなりません。

当初、子供が小学校のプール開きの前に、「ヤゴ救出大作戦」と銘打ったプール掃除で、10匹近くヤゴを捕まえてきました。はじめは、餌はあげなくていいと聞いてきたらしく、水槽に泥のような水を入れたままにしておいたのですが、あっという間に数匹がお亡くなりになってしまったため、家内が育て方を近所のお母さんから聞きつけ、イトミミズを買ってきました。

しかし、イトミミズを与えても、少しずつヤゴが死んでいってしまうため、今度はインターネットで飼育方法を調べ、水を換えなければいけないことに気づいたようで、イトミミズで生臭い水をせっせと取り替えて様子を見ていました。

それでも、少しずつヤゴは死んでいき、とうとう最後の1匹になってしまいました。その1匹もだんだん動かなくなりとうとう全滅かと思い始めた頃に、トンボになってくれたのです。

これまで、生臭いものなど手を出さなかった家内が、こんなに真剣に昆虫を育てたのは人生で初めてだと言う程かいがいしく育てたかいがあり、最後の1匹がみごとなトンボになってくれました。それはもう、仕事で疲れた亭主を叩き起こすだけの価値はあったようです。

トンボはしばらく羽を広げて乾かした後、ばたばたと羽ばたき始めたので、網戸を開けてそっと逃がしてあげました。きっと子供たちにも一生記憶に残る光景だったと思います。
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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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