8月の末に新しいインプラントを導入しました。既に何本か使っていますが、今日はそのインプラントの特性についての講演会に行って参りました。
新しいといっても、欧米では7年前から販売され、とても良好な臨床データが揃っている製品です。ご存知の方も多いと思いますが、日本は欧米の新しい技術の認可を受けるのに非常に時間がかかります。ですから、薬品や材料については欧米に比べ5年〜10年遅れています。
海外の文献を読んだり、学会にでたりして得られた新しい技術や知識も日本で応用するには個人輸入などをして、歯科医師がリスクを背負わなければ導入することができません。
今回の新しいインプラントも4年前に参加した海外の学会でとても経過が良好であるという報告が多数なされていたものです。こうしたタイムラグの問題は先進国としてもう少しなんとかして欲しいものです。
さて、本題に戻ります。この新しいインプラントはどこがいいのか?
何と言ってもインプラントの周りに早くしかも確実に骨が再生されるというものです。
これは、どんなメリットがあるのか?例えば、今までインプラントの手術をしてから歯を入れて負荷をかけられるようになるまで下顎では3ヶ月、上顎では6ヶ月待たなければなりませんでした。ところが、この新しいインプラントは下顎で2ヶ月、上顎で4ヶ月で負荷をかけられるようになりました(十分に安全な待機時間です)。
そのため、リスクの高い喫煙者や糖尿病患者、骨粗しょう症患者にもより確実な治療が可能となります。また、骨が痩せてしまって十分な長さのインプラントを入れられない方でも、短いインプラントでこれまでの長いインプラントと同等の力に耐えられるようになります。
これでまた一歩、安全で確実なインプラント治療に近づきました。