最近マスコミでインプラントについて批判的な意見が報道されています。それに伴い、患者さんからもいろいろとお問い合わせをいただきます。
そこで、当院のインプラントについてのスタンスをお話ししたいと思います。
インプラントは万全ではない
インプラントはどんなにがんばっても歯に敵うことはありません。あくまで人工物である事忘れてはなりません。一生ものであるとは誰も言うことができません。
インプラントは咀嚼(そしゃく)機能を向上させる
しかし、インプラントを入れることによってブリッジや入れ歯に比べてより安定した咀嚼機能を維持することができます。つまり、もとあった歯のように咬むことができ出ます。
他の歯を守ってくれる
ブリッジを入れた場合、ブリッジの土台となる歯は寿命を縮めますが、インプラントならそれらの歯を守ってくれます。
インプラントが駄目になってもいいじゃないですか
インプラント治療について説明するとき、私はいつもこんなふうにお話ししています。5年なり10年なりインプラントが機能してくれれば、その後インプラントが駄目になってもいいじゃないですか。インプラントを入れずにブリッジや入れ歯にしたら残りの歯は早く駄目になってしまいます。インプラントがその身代わりになってくれたのなら、十分役立ったと考えてください。(ただ、そんなに早く駄目になるものではないのですが・・・)
偶発症を過度に恐れてはいけない
マスコミの報道がよくないのは、過度に不安を煽るところです。これまで飛行機の墜落事故は何度もありました、しかし自分が乗る飛行機が事故に遭う確率がとても低い事を知っているから、私たちは飛行機に乗ることができます。マスコミ報道は偶発症の頻度をほとんど提示していません。
インプラント治療の偶発症が起こるリスクはケースによって全く異なります。それらは私たちのような専門医がしっかりと判断します。その上でインプラント治療を受けるか受けないかを判断して頂く事が、患者さんに最も大切な事だと思います。
インプラントはとても良い治療法だと思います。ただ、手術という高いハードルを越えなければならないため、誰もが受け入れられるものではありません。
インプラントを入れたらどんなメリットがあるのか、入れなければどんなデメリットがあるのかをよく理解して頂く事が今一番重要な事ではないかと思います。