コラム

大学病院というところ

今日はお休みで、久しぶりに大学に行ってきました。ここ数ヶ月は玉川病院での移設や自分の開業などで忙しく、なかなか自由な時間が作れなかったのですが、新しい医院もようやく落ち着いてきたので、お手伝いに出かけました。

大学というところがどういうところがご存知の方は少ないかと思いますのでちょっと説明します。

大学は、研究、教育、臨床の場です。そして、この順番に仕事が評価され、大学内での地位が築かれています。その結果、いくら臨床が優れていても研究ができない人の評価は低く、臨床が好きな人はどんどん大学から出て行ってしました。

かつては歯科業界はこれほど厳しい状態ではなかったため、しばらく大学に残って腕を磨いてから開業しようという先生が多かったのですが、今ではそれでは生活していくことすら難しい時代になり、優秀な臨床家がどんどん大学の医局から流出してしまいました。

そのため、大学には勝ち残った(?)トップの先生たちと、歯医者になったばかりの先生が残り、中堅どころがいない、まさに空洞化が進んでしまいました。さらに、中堅どころが抜けたからといって仕事の量が減る訳ではないので、しわ寄せは残された先生にすべて押し付けられ、彼らもまたもがき苦しんだあげく大学の医局を出て行かざるを得ないという負の連鎖に陥っています。

悲劇的なのは、歯医者になったばかりの先生たちです。教えてくれる人がいないのです。技術を盗もうと思っても盗む相手すらいません。そこで大学では、一度外に出てしまった先生を客員という形で呼び戻し、教育を担ってもらおうという働きかけをしています。

正直言えば焼け石に水と言った感がありますが、何もやらないよりはましです。少し解説が長くなりましたが、大学にはそういった事情でお手伝いにいくことになりました。大学のお話はこれから少しずつしていきます。今日はここまで。
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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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