歯の移植 PRGF(成長因子)を用いて再生を促した症例 

とても暑い9月ですが皆さんいかがお過ごしですか?

さてそんな暑い中、歯牙移植を行いました。他院にて治療中の20代の女性の患者さんが治療経過に不安を感じて、お父様のご紹介で来院されました。

一見したところ、もう治る見込みはありません(皆さんもどれが問題なのかすぐに判りますね)。レントゲン写真からも判るように歯の根の至る所に穴があいておりそこから薬が飛び出しています。

そこでは、「だめなら抜歯してインプラント」と言われたそうですが、たまたま患者さんが親知らずも抜きたいとご希望だったため、当院では親知らずを抜いて手前に移植しましょうと提案しました。

ここで、メリットとデメリットを良く考えてみましょう。

インプラントのメリットは、確実に行えるということです。インプラントの植立と歯牙移植とでは、移植の方が技術的な難易度が高く、その分成功率も落ちます。ですから、確実な方を望むのならインプラントをお勧めします。

インプラントのデメリットは、費用がかかること。時間がかかること(このケースでは骨の再生に4ヶ月、インプラントの安定に3ヶ月、計7ヶ月必要です。)。などがあげられます。

移植のメリットは、人工物と生体とでは当然生体の方が有利である。費用が安い。期間が短くて済む(約2ヶ月)。歯の周りに残った歯根膜の周囲に骨が再生する。

移植のデメリットは、インプラントより技術的に難しく不確実である。移植する歯がないとできない。などがあげられます。

そして患者さんは、移植を選択されました。もし移植に失敗したらそれからインプラントを行っても遅くはありません。というのも、歯の根の周りにある歯根膜と呼ばれる組織は、骨の再生を手助けしてくれます。そのため、歯を抜いてそのままにしておくよりも、移植した方が周囲に骨ができやすいので、仮に移植が失敗しても、抜歯してただ待つよりも骨の再生が期待できます。

今回、血液中の成長因子を取り出して再生を促すPRGFと呼ばれる手法も同時に行っているため、通常よりも骨の再生が見込めます。つまり、親知らずを抜くのにためらいがないのであれば、移植を行って損はないケースと言えます。

では、3枚目の写真をご覧ください。抜歯した歯の先に白いものが飛び出していますね。これがレントゲンで見えた薬です。カラーだともっと汚くなっている様子がよく判ります。

そして、親知らずを移植した写真がその下の2枚です。金属の横棒は固定用のワイヤーです。骨折の治療と同じで、骨が再生するためには絶対に動かさないことが重要です。

今回移植の際に親知らずの方が抜いた歯よりも少し大きかったため、骨を削って入れいてますので、サイズはほぼぴったりに治まっています。そのため、移植歯の固定も比較的良好です。

これで2ヶ月程待ちます。今回の手技は問題なくできたと自負しておりますが、膿の出ていたところの骨がかなり無くなっていたので、どこまで生着するかはいまのところ不確定です。2ヶ月後に結果をご報告します。

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