コラム

「歯性感染症と全身疾患」Part4 循環器障害 心疾患 都立広尾病院にて

前回、お口の中の細菌が歯周ポケットから体中に回ることお話ししました。それらの細菌は体の中でどんな悪さをするのでしょう?

歯周ポケットにいる嫌気性菌(空気を嫌う菌、ドブのような臭いがします)内毒素と呼ばれるものを保有しています。それをマクロファージや好中球という貪食細胞が取り込み血管内にはいり、血管の内側に張り付くと、コレステロールや細胞障害が起こります。

血管の内側にコレステロールが付くとどうなるか、皆さんお分かりですね。そう、内側が狭くなり高血圧になったり、動脈硬化を起こしたり、コレステロールの塊が剥がれて血流に乗ってしまうと、どこかで梗塞を起こします。心筋梗塞や脳梗塞などの致命的な疾患です。

歯周病による歯の周りの骨吸収がほとんどない人と、歯周病で60%の歯槽骨の吸収を起こしている人とでは、心冠状動脈疾患にかかる割合が、6%と36%の違いがあり、致命的な発作を起こす割合は、3%と23%の違いがあるとの報告があります。

また、歯周病があったり、歯周病で歯を喪失した人は、はいグループと比較して脳梗塞が多い。

歯周炎のある患者では、血中コレステロール値が高く、虚血性疾患が多いとの報告もあります。

重度の歯周病患者の4割にCRP(炎症の指標)の上昇がみられ、心筋梗塞のマーカーとしても使用され始めているそうです。

このように、歯周組織の破壊により、細菌が血流に乗ることで、様々な循環器障害が非鯉起こされることがわかっています。歯周病は本当に侮れません。

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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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