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細かい話 精密印象とは 


今日は臨床の話題を。今日型を取ったのですが、写真の片方が失敗で片方が完璧です。どちらかお分かりですか?

これはブリッジの型ですが、被せものを作るときに最も大事なのが、マージンと呼ばれる歯と被せものの境界を正確に再現することです。ですから、型には削ったところと削ってないところの境界がはっきりとでていないと、正しいものはできません。

しかし、ここで問題なのが、被せものをより美しく仕上げるために境界線を見せないようできるだけ歯肉のポケットの下まで歯を削りますが、その分型を取るときに歯肉が被ってしまいきれいに再現できなくなってしまいます。

そこで、型を取るときに細い糸を歯と歯肉の境目に入れて、一時的に隙間を広げておいて型を取るという手法を使います。しかも、ダブルコードといって1本細いのをはじめに入れて次に中くらいの太さのものを入れて歯肉溝を広げ、型を取る直前に中くらいの糸を取り除いて、隙間が開いているうちにさっと型を取ってしまうという、非常に手の込んだことを行います。

おそらく、患者さんにしてみれば、どうして型を取るのにこれほど手間がかかるのだろうと疑問に思われていていることでしょうが、実はこれほど細々とした作業をしているとは思われていないのではないでしょうか。

時々こんなことをやってますと患者に説明しますが、あまり関心がないようで、「はー、先生もお疲れですね」とねぎらって頂いているだけのことが多いように思います。まあ、マニアックな内容なので仕方のないことですが、もし皆さんがご自分の型を取られる機会がありましたら、こんなことされてるんだなあと思って頂ければ、治療をする我々も浮かばれるというものです。

さあ、どちらが成功かわかりましたか?そう、はっきり境界の出ている下の写真ですね。
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平野 恭吉平野 恭吉

平野 恭吉

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